2009/06/11
「ねえねえ、おばあちゃん、おはなし読んで」
「のぶ君は、ほんとうに、おはなしが好きだねえ」
「ももたろう読んで! ももたろう!」
「桃太郎ねえ。それなら良いものがあるよ」
「もっもたっろう! もっもたっろう!」
「ももたろうってこんな表紙だっけぇ…」
「のぶ君も、この自己啓発的桃太郎を読んで、成功哲学を身につけて、自分の才能に目覚めて幸せなお金持ちになるんだよ」
「…………?」
「それじゃあ、読んであげるからね」
「人はどうしてすぐに過去に縛られてしまうのでしょう。もちろん、過去から学ぶことは大事です。しかし、過去の失敗にとらわれて"今"が見えなくなってしまっては、元も子もないと思いませんか? 「むかしむかし、あるところ」なんて言うのは、もうおやめなさい。あなたが生きているのは、常に、"今、ここ"でしかないのです。現実から目を逸らしていても、何も問題は解決しませんよ」
「………おばあちゃん?」
「人は、身体より先に心から老けていきます。「どうせ変わらない」「俺はこの程度だから…」そういう日々の思考が、どんどん心を老けさせてゆくのです。いいですか、気持ちさえ若くあれば、人は何歳になっても成長できます。いつものように惰性で山へ柴刈りに行くのはおやめなさい。刺激的なビジネスはそんなところに転がっていません。「でも、昨日まで毎日、山へ柴刈りに行っていたし、今さら変えるのも…」と考えたあなた。そんなことを言うなら胸に手を当てて、自分の心の声を聞いてみるのです。本当に、心の底から、山へ柴刈りに行くのが楽しいと言えますか?」
「なにを、読んでいるの………?」
「あなたが川縁を歩いていると、川のほとりにずっと立っているおばあさんを見かけました。何をしているのかと尋ねると、おばあさんが言いました。「川上から大きな桃が流れてこないもんかねえ」。この話を聞いて、随分と受け身なおばあさんだなあ、と思いませんでしたか? そんな都合の良いことがあるわけないじゃないか、虫の良い話だ、と。しかし実際、ほとんどの人は、こんな風に人生を過ごしてしまっているのです。
川上から大きな桃が流れてくるのを待つのではなく、自分から大きな桃を作り出す。そんなおばあさんが世界を動かしてゆくのです。誰かがビッグ・ビジネスを運んできてくれるのを待つのはおやめなさい。あなたの人生を変えるのは、あなただけなのです。さあ、勇気を出して、成功への扉を開けましょう」
「桃太郎は…出てくるよね………?」
「大きな桃から出てくるのは、桃太郎なんかよりもっと刺激的な何かです。胸がワクワクするような刺激的な体験であったり、同じ使命を持った、刺激的なビジネスパートナーとの出会いだったり…。なんだか、随分と興奮してきませんか? 自分の意志で切り開いていく人生の楽しさを体験すると、これまでの受け身な人生がいかに退屈でつまらないものだったか、分かってくるかもしれませんよ」
「き、きびだんごとか、犬とかオサルとか、キジさんとか…」
「厳しいことを言うようですが、あなたから何も得られないのなら、人はあなたと付き合おうとは思いません。この社会は、ギブアンドテイクで成り立っているのです。でも世の中のほとんどの人が、きびだんごもあげずに、他人に協力してもらおうとする。それは非常に甘い考えだと言わざるをえません。」
「おばあちゃん! 犬はー!? おさるはー!? キジさんはー!!?」
「さあ、そしてもうひとつ大事な点があります。自分にとって価値のない相手に、きびだんごをあげていませんか? 犬、猿、キジ? そんなものがビジネスにおいてどんな役割を果たしてくれるのでしょう。動物はビジネスパートナーになりません。相手が自分に何をしてくれるのか、それを見きわめて、それに見合うだけのきびだんごを与える。時には、そういったシビアな視点も必要なのです。きびだんごは有限なのですから……」
「お、鬼はやっつけるよね!? 鬼がしまで、鬼たいじ、するんだもんね!」
「鬼は、鬼が島にいるのではありません。あなたの心にいるのです。怠惰、弱気、嫉妬やひがみ……。人間は心の弱い生き物です。そういった鬼を退治するのは、簡単なことではありません。でも、あなたはもう大丈夫。現実は、"今、ここ"にしかないこと、人は心からおじいさんになっていくこと、大きな桃が流れてくるのを待っていてはいけないこと、きびだんごをしっかりと与えること…。幸せなお金持ちになるために必要なたくさんのことを、私とともに学んできたのですから……。さあ、鬼退治に出かけましょう」
「おばあちゃん! おばあちゃんもういいよ! おしまい! めでたしめでたし!」
「ひとつのビジネスが終わってもすぐに、次のビジネスがやってきます。「めでたし、めでたし」などと一息ついている時間などないのです。立ち止まってはいけません。あなたのなかの鬼を退治して、ビジネスパートナーに適切なきびだんごを与え、大きな桃を手に入れたのなら、今度はそれをもっと大きな桃に────
「ママー! おばあちゃんが、おばあちゃんがおかしいよー!」
「あらあら、じゃあ代わりに、ママがごほんを読んであげましょうね」
「うえーん! 人生なんていやだー!」(上田)
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だと思いました。
上田さんがんばれ!
で死ぬほど笑いました
『芝刈り』じゃなく『柴刈り』だからな。
芝刈り→柴刈り
修正しました。
すげーわ!!!
金太郎のオビの台詞が「この本"でも"変わった」の部分に爆笑しましたww
すばらしい才能だ
いい感じですwwww
実際もう売っちゃおうよ、コレ。
だが為になった
だが為になった
元ネタのあの人もあちこちに出張してましたなw
あるある
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