あけましておめでとうございます。新年最初の特集が俺でどうもすいません。

仕事始めでウンザリの皆さまに、今日は新年と一切関係ないエロDVDとお酒の素敵な
お話をしますね。

場所は東京都杉並区高円寺。
毎度おなじみのこの街から、ほんとに申し訳ないんですが、また一軒紹介させて頂き
ます。

 

 

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JR高円寺駅から南下すると、地下鉄駅の新高円寺。
そこが青梅街道という大きな道沿いであることをご理解頂ければ、細かい地名は不要。
東京都心と多摩地区とを結ぶこの道路は夜も交通量が減ることは無い。

 

 

●ちょっとエッチな本屋 エーワンブック

 

 

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その通り沿い、やや暗がりの中にヒッソリとしかし堂々と店を構えるのがコチラ、
エーワンブック
この佇まいからご想像頂けるだろうが、暗くなるとオープンする、いわゆるアダルトが
メインのオトナの本屋だ。

 

 

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そんなアダルトショップに何故か掲げられる堂々たる「酒」の看板。

本と酒・・・!はてな!?と驚く皆々様、頼むからご静粛に願います。
大卒の俺には手に取るように分かるんですが、恐らくここには本と酒が売ってあります。

 

 

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それより何より、世の男子の心を揺さぶるコチラの文言はどうか。

 

「ちょっぴり♡な立ち飲み屋」

 

仮に俺が中学生だったならば、「これがほんとの勃ち飲み屋やで~~」などというチンパンジーの中で一番頭いいやつがかろうじて絞り出しそうなレベルの下ネタをシタリ顔でカマそうものでしょうが、さすがに大卒、ハワイにも行ったことがある32歳にもなると

このような文言ですら冷静かつ沈着に、笑顔のままで受 け止める余裕が生まれます。

 

 

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入り口で待ち構えるのが圧巻のこのポスター。
メッシもピルロもルーニーも、極東のエロ本屋の入り口でMUTEKIポスターのデコレーションに使われているとは思うまい。
無敵認定を受けた彼らがワールドカップで活躍するのは間違いなく、西武は来年から怒涛のV9決定でえす

 

 

●突撃!エーワンブック

 

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入り口を開けるとスグ、本業の書店スペースと区別するように、カーテンで仕切られた
薄暗いスペースが飛び込んでくる。

 

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そこにはテーブル席が3つ、カウンターに2席。
立ち飲み屋と書いてあったが余裕で全員座っている。は、はて、、ぼ、勃起しているからかな・・・?!

 

立ち飲み屋に椅子がある――

 

昔赤羽の24時間営業の立ち飲み屋で、朝7時頃に客のジジイ全員地べたに座っていたのを見た時以来の衝撃・・・。

 

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部室を思わせるような微妙な狭さが心地よい。

 

本屋全体としての店名はエーワンブックスだが、カーテンを隔てたコチラ側は「TORIGOE」という店名になるのだそう。
一つの店舗に二つの店名。そこには大人の事情がありそうだ。

 

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こちらが店主のTORIGOEさん。
単刀直入な「一体ここは何なのか」という問いに「分からない」という返答。
名店はみんなそういう答えを返してくる。

 

エーワンブック自体、創業は17年だが、こちらの方が店主になって8年。
最近アダルト商品の販売不振が続き、昨年3月に本のついでに酒が買えるスペース
オープンしたのだそうだ。(公的機関には確認済み)

 

――「酒」の看板思いっきり出てますけど・・・?

 

「あれは向かいのセブンイレブンから貰ったんだ。「酒」って書いてあるだけのスゲー
オシャレな看板
だよ。」

 

何かとグレーな世の中である。

 

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飲食店かどうか、許可の有無はといった部分は色々と微妙なようだが、缶入り飲料を販売するだけなら取りあえず本屋でもOKな模様。
コップに注いだり、器を介すと別途許可が発生する為、ここでは全て缶で提供される。

 

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「要は食中毒を起こすリスクってのが問題でね」

飲み物と同じ理由でおつまみであるこちらのスナック菓子や乾物も、棚から取って
そのまま食べるスタイルだ。

 

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ゲーム、漫画、DVD・・・・、ネットがやりたければPCを貸してくれる。
客が持ち寄って形成されたこれらのアイテムが、この店の部室としての完成度を高め続けている。

 

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「ダーツはそこ」と教えられた方向には、本棚の奥に据え付けられたオールドスタイルのダーツの的。
AV女優に見守られながら、男は的に向かって矢を飛ばす。(深い意味は無いです)

 

 

●アダルトコーナーとのすみ分け

元々はアダルトがメインのお店なのだから、そのすみ分けは非常に気になるところ。
ムラついた男のマインドを想像すると「購入後はコンマ1秒でも速やかに家に帰りたい」というのが一般的であり、「ふむ、鑑賞前に一杯やっていくか」などという賢者のような男性はなかなか居ないはずである。

 

すると想像されるのは、エロと酒が完全に別々の空間として存在する姿だ。

 

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アダルトスペースだって当然現役で稼働中。
飲み屋スペースと区切られた別の入り口に、本業であるアダルトコーナーがある。

 

撮影許可を頂いたので早速中に入ってみよう。

 

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「女は海」とジュディ・オングは歌った。
ならば男は回遊魚。カーテンの内側をグルグル動き回る男たちの秩序を、女性たちは一度見るべきである。
(近年、「男はシャケ」と見る向きもあります)

 

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気になるお会計方法、それはまるで銭湯の番台のように、二つのお店につながる一つの
レジで厳粛な雰囲気の中行われる。
なるほど納得、エッチな俺たちのプライバシーはこうして守られる!

 

時折訪れるアダルトコーナーの客の、その静かな足音に聞き耳を立てながら飲む缶ビールはスゲー美味い。

 

 

●常連によるハートフルなストーリー

元々のアダルトコーナー通いから飲酒目当てにジョブチェンジした方、飲酒目当てで入った後に、アダルトコーナーへ足を運ぶようになった方など、この店特有の常連事情がある。

 

名店には名常連あり。
最後に名店を彩る常連によるハートフルなラブストーリーをご紹介してお別れとしたい。

 

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こちら、齢60ウン歳のキッシー、ここに飲酒スペースを出来てから通うようになった
新しい常連の一人だ。
独身の彼は目下、親子ほども歳の違う、27歳の女性にゾッコン夢中。
本日は特別に意中の女性に送ったラブ・レターを公開していただく事に成功した。

 

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「上記の中からご都合の良い日を教えてください」

 

達筆なキッシーのラブレターは妙な色使いとレイアウトで書かれた東京デエズニイランドという仮想空間へのお誘いだった。
第一回、第二回と回答期限が設けられた珍しいスタイルのこの手紙、相手にイエス・ノーの選択肢が与えられない完全クローズ型の召集令状である。

 

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「さそっていただいても 行く事ができません。」

 

父親の年齢の男性がフラれる瞬間はそうそう見られるものではない。
というわけで、シーキツは恋人募集中。女なら誰でもいいんでとにかく連絡ください。

 

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キッシーは陳列されるエロ本、エロDVDの類には一切興味が無く、生身の女性とのプラトニックな恋愛について店長にアドバイスを貰うためにこの店に通っているのだそう。

 

実はこのような純粋に飲みに来て居る方が大半で、もはやここは本屋が片手間でやっている飲酒スペース以上の存在になりつつあることの証。心温まりすぎて手汗が止まらない。

 

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エーワンブックの中に併設されたTORIGOEなる不思議な飲酒スペース、いかがだっただろうか。
酒とテーブルがあるだけで、そこは人の集まる場所になる。

 

酒場とは一体何か、何が人を惹きつけるのか・・・!調べるほどに謎は深まるばかり。
2014年も奇店、珍店を調査して行こうと思います。
そしていい加減皆さんからの情報にも頼ろうと思うので、東京近郊で入りづらい怪しい酒場、または酒場にすらなっていないような人々の集う場所等、調べて欲しいスポットがあれば気軽にご連絡下さい。(飲み屋でなくても良いです)
場所と外観写真を送って下さると助かります。

 

 

 

 

 

(zukkiniさん)