愛されたい。人間だれしもがそう願いながら毎日を過ごしていると思います。
私も日々そう願いながらこの東京という名のコンクリートジャングルを生き抜いてきました。
しかし17年間生きてきた今でも、「みんなに愛される人間」の法則性が私には分かりません。
面白い。明るい。顔がいい。それら全てを兼ね備えていても、愛されない人は愛されない。
逆に、それらを全て兼ね備えていなくても、愛される人はみんなに愛されている。
みんなに愛される人間になるにはどうしたらいいのか?
その正しい答えを得ることは、ほぼ不可能なのです。
だから、もう、真似するしかないんです。
「すでに愛されている存在」を、模倣するしかない。
子供から大人まで、男女関わらず。昔からずっと愛され続けてきている存在。
これです。この人たちです。駄菓子のパッケージのキャラクター。
大半の人達が彼らに親しみを持って生きてきたのではないでしょうか?
単に駄菓子が美味しいからパッケージのキャラクターも愛されているのか…?
否!私は、このキャラクター達自身が、それぞれの強い個性で人々の心を掴んでいるように思います。
アニメのキャラクターと違って、声もなく、細かい設定も与えられていない彼らは、ほぼ100%見た目のみで私達の心を掴んできました。
つまり見た目さえ彼らに近付けば、私達も愛されまくる可能性があるってことです。
なるしかないでしょ!!
この男の子。愛され臭がプンプンします。一目見ただけでもう愛しい。
小学生(推測)にもかかわらず、達者なダジャレ(面白いかは別として)で商品の魅力を伝えると同時に、まるでモデルのように完璧なポーズをとっています。
なにかこの男の子の情報は無いかとパッケージ裏の説明文を読んでみたんですが、
どうしても最後の一文の「?」の意味が分からなくて怖いのです。
こういったミステリアスな部分があるのも駄菓子の魅力ですね。あと、こういうお菓子ってカード食品って呼ぶのですね。かっこいい。
じゃあもう、早速なりましょう。のし梅さん太郎に。
のし梅さん太郎になって、
愛された~~~~~い!!!!
完璧だわ…………。
極太の眉毛から、大きすぎる口まで完全再現です。
このコスチュームの愛されポイントは、「子供は子供らしく」という背伸びしていない感じではないでしょうか。
髪はきっともともと茶色い体質なのでしょう。
目も普段の三倍ぐらい大きくなっててすっごい親しみやすい。
もうね、カラコンとかで必死に目を大きくしてる人に教えてあげたい。この、のし梅さん太郎メイクを。
え? 安っぽいって? 実際安いんです。
トータルで1115円。
1000円ちょっとで駄菓子の世界に迷い込めるなら安い! 多分安いよお母さん!
今回のし梅さん太郎になるために初めて古着屋へ行きました。
そう、古着屋は駄菓子コスチュームの宝庫。
駄菓子が愛される理由のひとつは「安さ」。だからその精神に則って、衣装もなるべく安く済ませたいのです。
今回悔やまれるのはこの靴が再現できなかったこと。
子供が履くにはちょっと前衛的すぎる。
黄色いとこ押したらつま先の部分がパカッて分かれて開くんでしょうね。
よし、次行ってみよ!
駄菓子キャラクター界の最高峰と呼べるんじゃないでしょうか。
子供が食べるには少し辛すぎるその挑戦的なエスニック風味を擬人化したような、パンクな野郎です。
見て下さい。
観客のよっちゃん達の怯え方が尋常じゃない。眼球があり得ないことになっています。
それでも来てしまうだけの魅力がこのコンサートにはあるのでしょう。
こんな風に恐れられながらも愛されるこのパンク野郎に、
私もなりた~~~~~い!!!!!
最高にパンクだぜ!!!!
このファッションの愛されポイントは、胸元の大胆さ、他に類を見ない髪型など、「オレを見てくれ」という気持ちが正直に伝わってくる気持ちよさではないでしょうか。
サブカルぶってるだなんだと言われることを恐れ、無難な服しか着れない私にとっては憧れの存在です。
では内訳を。
手作り感に溢れていますね。
このファッション、真似したくてもこんな灰色で胸元のめくれた部分だけが赤っぽい服なんて売ってないんです。
でも安心して下さい。胸元が開く灰色の服の内側に赤い布をペッ!て貼ればいいだけですから。
髪の毛は、浅草橋の雑貨屋でハロウィンフェアがやっていたのでそこで買いました。
「店員は私がこの飾りをタラタラしてんじゃね~よの髪として使うなど1ミリも考えていないだろう」とほくそ笑みながらね。
今回は借りたものや私物が多いです。
そう、案外そこらへんにあるものをかき集めれば駄菓子のキャラクターになれちゃうのです! お手軽! お手軽さん太郎!
じゃあ次は、さっき観客として登場したこの子!
有名な割には詳細が不明な彼。
人間なのかイカなのか? 引っ張っているのは仲間のイカの臓器なのか?
そんなミステリアスさが愛される彼に、
私もなりた~~~~い!!!!!!
オイルマッサージと称して女の人にいかがわしいことをする人だ~~!!!
違う、間違えた。
どこからどう見てもよっちゃんだ~~~!!!!!
このファッションの愛されポイントは、やっぱり純白さですかね。清楚感が半端じゃない。
なにより、目が可愛いです。どこを見てるのか分からなくて可愛すぎる。
ただ、顔にでっかい切り傷がある怪しい気功師にも見える。
では詳細を。
なんとこのコーディネート、タダです。
白い布でイカの頭さえ作ればあとはもう白い服を着るだけですから、相当ラクです。
体育祭などでの綱引きにこの格好で出て一所懸命に綱を引けばほんのちょっとだけウケると思います。
次は今回初登場の女キャラクター!
目が繋がっていて顔中が口であること以外は、本当にただのババアなんですよね。
ジェリービーンズみたいな鼻が愛くるしすぎます。
こんな不健康ババアに、
私もなって愛された~~~い!!!!!!!
ババアだ………。
これ、表情から伝わってしまっているかもしれませんがツラいんです。
ラーメンを他人の見やすい角度まで傾け、かつ顔を上に向けながらすするのがツラい。
しかしそんな辛い思いをしてまでラーメンを一所懸命食べてる姿こそが、このババアの愛されポイントなんだと気付くことができました。
パッケージの絵を見て下さい。ババア、大汗をかいてるんです。
ババアもツラいんです。麺も熱いの。でも頑張ってる。ババアね、すごい頑張ってる。
さて、正直今までで一番安っぽく見えるコスプレですが…
安い。ババアの髪を灰色のニット帽で表現するという安さへのこだわり。グッドアイデア。
こんなに簡単にらあめんババアになれるのに、
どうしてみんなこの格好で天下一品に食べに行かないんですか?
うどんでもそばでもなんでもいいです。
なにか麺を食べに行くときはこのババアの格好をして、一所懸命すすってみて下さい。
ちくわの天ぷらとかおまけされること間違いなしです。
さて、最後は完全に人外の超有名キャラクター。
フィリックスはもともとアメリカ漫画のキャラクターですが、
一番強いイメージはこのガムのパッケージでの姿だと思います。
もともとマルカワさんが自社製品のガムに偽物のフィリックスを使用していたのですが、
その後正式に契約を結びこの本物のフィリックスが使用されたデザインになったってwikipediaに書いてありました。
私もフィリックスになって、
ポップに愛された~~~い!!!!!
ストロベリー香料使用~~~~!!!!!!!!!!!!!
この私、本当は無表情なのにすごく笑っているように見えませんか?
つまりこの格好で街に繰り出せば、常に笑顔を振りまきながら歩けるということになります。
この笑顔こそが、フィリックスメイクの愛されポイントです。
どんなにクールな人でもこのメイクを施した途端に強制的に口角が上がります。
「幸福をもたらす」というフィリックスの名前の由来通り、周りもハッピー、自分もハッピーです。
さて、フィリックスになるための詳細です。
塗るだけ~~~~!!!!
もはやコスプレ云々じゃない~~~~!なんなの~!怒り心頭~~!
しかし、この「自力で塗った感」が逆に愛しいのです。
首から下がモロ人間だというところも逆に愛しいのです。
最近のゆるキャラのように、ちょっと人間感を出した方が人気者になれるのです。
今言ったことは全部適当ですが頑張って説得されてください。
そして明日には忘れて下さい。
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さて、今回は五人のキャラクターになってみましたが、
日本にはまだまだ何十人もの駄菓子キャラクターが存在しています。
そして、その全ての駄菓子キャラクターのコスチュームに「愛されポイント」があるはずなのです。
どうしたら人に愛されるの…?
どうしてあんな奴が愛されてて自分は愛されてないの…?
そんな風に悩んだときには、啓発本や占いに頼るよりも、
自分の愛する駄菓子キャラクターになってみて下さい。
安くて簡単に、みんなに愛される手がかりを見つけられるはずです。
そしてその格好で、街に繰り出してみて下さい。
心も視界も開けて、いつもよりも堂々と歩きやすいはずです。
みんなが避けてくれるからです。